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不整脈

頻拍性不整脈に対する臨床的対応(治療)

頻拍性不整脈に対する臨床的対応(治療) 頻拍の診断・治療の基本的な考え方 頻拍に対する診療アルゴリズムの全体的な流れは図31のとおりである。最初のステップは、前述したとおり、その頻拍が不安定な頻拍であるかどうかの判定である。不安定な頻拍とは、重篤な自覚症状や他覚所見が、頻拍が原因で起こったものである。不安定な頻拍の心拍数は通常150回/分を超え、150回/分以下では不安定な頻拍とは考えにくい。判定 […]

徐脈性不整脈に対する臨床的対応(治療)

徐脈性不整脈に対する臨床的対応 徐脈・頻拍に対する臨床的対応の全体像 徐脈・頻拍の診療を行う場合に重要なことは、その徐脈・頻拍が不安定な状態にあるかどうかの判定(診断)である。不安定な状態にある徐脈を症候性徐脈(symptomatic bradycardia)、頻拍を不安定な頻拍(unstable tachycardia)という。また、不安定な状態にある徐脈・頻拍は心拍数が不安定領域に入っており、 […]

頻拍性不整脈の診断アルゴリズム

頻拍の診断アルゴリズム 1)頻拍の診断アルゴリズム総論 心電図診断アルゴリズムを表17、図23~25にまとめる。心電図診断のための指標は、1)QRS幅が狭いか広いか、2)RR間隔が整か不整か、3)QRS幅が狭い場合、QRSの前のPが確認できるかできないか、この3つの指標を順番に判定することで心電図診断は概ね可能になる。 【表17】頻拍の波形診断 【図23】頻拍の診断アルゴリズム(全体像) 【図24 […]

頻拍性不整脈⑦ 見逃してはならない心電図異常(突然死の原因)

見逃してはならない心電図異常(突然死の原因) 1)QT延長症候群 → torsades de pointes QT延長症候群とは、QT時間が延長したもので、遺伝子異常による先天性の要因が多いが、後天的には電解質異常(低K血症、低Mg血症、低Ca血症)や薬剤過量(特にQT延長を起こす薬剤:プロカインアミド、キニジン、三環系抗うつ剤)によって起こる。頻度は低いが若年者の突然死の原因のひとつである。その […]

頻拍性不整脈⑥ WPW症候群と頻拍発作|心電図所見も詳しく解説

WPW症候群と頻拍発作 1)WPW症候群とは WPW症候群とは、正常な刺激伝導系とは別に心房心室間にKent束といわれる副側伝導路が存在し、洞結節からの刺激がこの2つの伝導路を通して心室に伝わっているものをいう(図21)2)。Kent束を通る副側伝導路は正常の刺激伝導系より高速に刺激が伝わるため、心電図波形ではデルタ波がみられる(図21-1)。これをシェーマにしたものが図21-2である。臨床的にW […]

頻拍性不整脈⑤ 心室頻拍とは|心電図所見とともに詳しく解説

心室頻拍(VT:ventricular tachycardia) 1)心室頻拍とは 心室頻拍とは、心室内のリエントリー回路の形成で起こったもので、心室性期外収縮が継続したものである。心室頻拍の機序のシェーマと心電図を図18に示す。危険な心室性期外収縮は心室頻拍や心室細動(図19)に移行しやすい。危険な心室性期外収縮とは前述したが、1)多源性、2)ショートラン、3)R on T、の3つである。心室頻 […]

頻拍性不整脈④ 心房頻拍、心房粗動多源性とは|心電図所見とともに詳しく解説

心房粗動(AFL:atrial flutter) 心房粗動とは心房内に250~350回/分(300回/分前後)のマクロリエントリー回路が生じ、さまざまな伝導比で心室に伝わる不整脈である。心房粗動の機序のシェーマと心電図を図16に示す。一般的には偶数比での伝導(2:1伝導、4:1伝導)が多く、2:1伝導、4:1伝導の場合の心拍数はそれぞれ120~180回/分(150回/分前後)、60~90回/分(7 […]

頻拍性不整脈③ 心房細動とは|原因や心電図所見を詳しく解説

心房細動(AF:atrial fibrillation) 1)心房細動とは 心房細動とは心房内のいたるところで異所性刺激が高頻度(350~600回/分)に起こった不整脈をいう。そして、この高頻度に発生した異所性刺激をランダムリエントリーという。心房細動の機序のシェーマと心電図を図15-1に示す。高頻度の心房の異所性刺激は全てが心筋まで伝導されることはなく房室結節によってセレクトされ、心拍数が決まっ […]

頻拍性不整脈② 発作性上室性頻拍とは|心電図所見、診断、治療について詳しく解説

発作性上室性頻拍(PSVT:paroxysmal supraventricular tachycardia) 発作性上室性頻拍とは、房室結節、心房心室間、洞結節、心房内でリエントリー回路を作った不整脈である。発作性上室性頻拍の機序のシェーマと心電図を図14に示す。リエントリーの部位は房室結節が最も多く、2番目に多いのが心房心室間で、この2つで発作性上室性頻拍の約90%を占める。房室結節でのリエント […]

頻拍性不整脈の概念と診断① 頻拍性不整脈の概念と洞性頻拍について

頻拍の概念 頻拍は大きく分けて、上室性と心室性の2つに大別される(表6)。この中で救急現場で重要なものは、前述したとおり、洞性頻拍、発作性上室性頻拍、心房粗動、心房細動、心室頻拍(単形性心室頻拍)の計5つである。これらの詳細は別のページで説明する。。 【表6】不整脈の分類(洞性徐脈、洞性頻拍を含む) ところで、頻拍の機序及び心電図所見を理解するうえで2つの重要な概念がある。それはリエントリーとWP […]