AHA公認BLS,ACLS講習会

たとえ、あなたが非医療従事者であっても専門的にBLS(一次救命処置)講習を学べばあなたが住んでいる町の救命率が上がることが証明されています。
あなたが医療従事者でも医療従事者でなくても関係ありません。私たちは、より多くの優秀なBLS,ACLSプロバイダーの誕生を目指しています。

急性冠症候群の診断

1)急性冠症候群診断の3指標 急性冠症候群の診断は1)自覚症状、2)心電図、3)心筋マーカー、の3つの指標から行う。これらをまとめたものが表4である。 【表4】急性冠症候群の初期診断(救急部門での診断) 2)症状による診断 急性冠症候群の症状としては、大部分が数分間(心筋梗塞の場合は普通15分以上)持続する虚血性胸痛(胸骨の奥の絞やく感を伴う胸痛)を訴え、上腕・肩・頸部・下顎・歯・背中・心窩部への […]

急性冠症候群の病理学的分類

急性冠症候群の病理学的分類は表3のとおりで、1)Q波心筋梗塞、2)非Q波心筋梗塞、3)不安定狭心症、の3つに分けられる。 【表3】急性冠症候群の病理学的分類 Q波心筋梗塞は冠動脈の血栓形成が過大で内腔を完全閉塞し、心筋が壊死になった病態で、最終的に心電図上異常Q波が形成される。非Q波心筋梗塞はいったん閉塞した冠動脈の血栓が流出して早期に再開通し、一部の心筋が壊死になった病態で、最終的に心電図上異常 […]

急性冠症候群の心電図分類

急性冠症候群の心電図分類は表2のとおりで、1)ST上昇または新規の左脚ブロック、2)ST低下・陰性T、3)心電図変化がない・診断不能、の3つに分けられる。ST上昇または新規の左脚ブロックが認められれば、急性心筋障害が強く疑われSTEMIである。ST低下・陰性Tが認められれば心筋虚血が疑われ、NSTEMIまたは高リスク不安定狭心症である。心電図変化がない・診断不能の場合はNSTEMIまたは中・低リス […]

急性冠症候群の臨床的分類

急性冠症候群の臨床的分類は表1のとおりで、1)ST上昇型心筋梗塞(STEMI)、2)非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)、3)不安定狭心症、の3つに分けられる。 【表1】急性冠症候群の臨床的分類 ST上昇型心筋梗塞(STEMI:ST-segment elevation myocardial infarction) 心電図上ST上昇または新規もしくは新規と思われる左脚ブロックが認められ、トロポニンの […]

虚血性心疾患と急性冠症候群の概念

1)虚血性心疾患 虚血性心疾患(IHD:ischemic heart disease)とは、心筋が虚血に陥り胸痛等の症状を発症する疾患を総称したもので、安定狭心症(stable angina)、不安定狭心症(unstable angina)、急性心筋梗塞(AMI: acute myocardial infarction)、冠攣縮性狭心症(coronary spastic angina)からなる。こ […]

クモ膜下出血

1、くも膜下出血の原因 くも膜下出血の原因は表14のとおりで、ほとんどが脳動脈瘤破裂(図7)である。脳動脈瘤の好発部位は大部分がウイリス動脈輪の周辺で内頸動脈瘤、中大脳動脈瘤、前大脳動脈瘤、椎骨脳底動脈瘤に分けられる。他には脳動静脈奇形破裂(図8)が原因によるものがある。 【表14】くも膜下出血の原因 1、脳動脈瘤破裂(90%以上) 2、脳動静脈奇形破裂 3、その他(原因不明を含む) 【図7】 【 […]

脳卒中の予防

1、脳卒中予防の考え方 脳卒中の各疾患についての原因と病態について述べたが、最も重要なことは脳卒中の予防である。そのためには脳卒中各疾患の主要原因を予防する必要がある。脳卒中各疾患の主要原因と基本病態及び外科的予防法については表16のとおりである。脳梗塞・脳出血の基本病態は動脈硬化であるため、動脈硬化の危険因子(高血圧症、糖尿病、高脂血症、肥満、運動不足、ストレス、喫煙など)を予防することが最も重 […]

脳出血

1、脳出血の原因と好発部位、および高血圧性脳出血 脳出血の原因は表11のとおりで、原因の大部分(約82%)1)は高血圧症である。高血圧症が原因で起こった脳出血を高血圧性脳出血という。高血圧症以外では、脳血管異常、アミロイド血管症、出血傾向、脳腫瘍がある。   【表11】脳出血の原因 脳出血の好発部位および頻度10)は、表12のとおりで、基底核(主に被殻)、視床、皮質下(大脳)などのテント […]

脳梗塞の治療

脳梗塞治療の考え方 脳梗塞は原因の如何に関わらず、急性期治療の後で症状が残ってしまうとその症状の改善は難しい。そのため2000年以後は症状が残らないようにするための急性期治療が脳梗塞治療のメインテーマとなった。これについては後述する。しかし、症状が残ってしまった慢性期の場合は再発予防が治療の目的であり、ラクナ梗塞、アテローム血栓性梗塞の場合は抗血小板療法(アスピリンなど)5)を、心原性梗塞の場合は […]

脳梗塞の原因

1、脳梗塞の原因 脳梗塞の原因は表7のとおりで、それぞれの頻度は表84)のとおりである。原因のほとんど(約93%)は脳血栓症(約59%)または脳塞栓症(約34%)であり、最も多いものは脳血栓症である。ちなみに、脳梗塞の原因が脳血栓症であるか脳塞栓症であるかの診断は難しく、画像診断上梗塞巣の点在や、後述する心房細動や僧帽弁狭窄症がある場合は脳塞栓症の可能性が高い。 【表7】脳梗塞の原因 【表8】脳梗 […]