クモ膜下出血
1、くも膜下出血の原因 くも膜下出血の原因は表14のとおりで、ほとんどが脳動脈瘤破裂(図7)である。脳動脈瘤の好発部位は大部分がウイリス動脈輪の周辺で内頸動脈瘤、中大脳動脈瘤、前大脳動脈瘤、椎骨脳底動脈瘤に分けられる。他には脳動静脈奇形破裂(図8)が原因によるものがある。 【表14】くも膜下出血の原因 1、脳動脈瘤破裂(90%以上) 2、脳動静脈奇形破裂 3、その他(原因不明を含む) 【図7】 【 […]
1、くも膜下出血の原因 くも膜下出血の原因は表14のとおりで、ほとんどが脳動脈瘤破裂(図7)である。脳動脈瘤の好発部位は大部分がウイリス動脈輪の周辺で内頸動脈瘤、中大脳動脈瘤、前大脳動脈瘤、椎骨脳底動脈瘤に分けられる。他には脳動静脈奇形破裂(図8)が原因によるものがある。 【表14】くも膜下出血の原因 1、脳動脈瘤破裂(90%以上) 2、脳動静脈奇形破裂 3、その他(原因不明を含む) 【図7】 【 […]
1、脳卒中予防の考え方 脳卒中の各疾患についての原因と病態について述べたが、最も重要なことは脳卒中の予防である。そのためには脳卒中各疾患の主要原因を予防する必要がある。脳卒中各疾患の主要原因と基本病態及び外科的予防法については表16のとおりである。脳梗塞・脳出血の基本病態は動脈硬化であるため、動脈硬化の危険因子(高血圧症、糖尿病、高脂血症、肥満、運動不足、ストレス、喫煙など)を予防することが最も重 […]
1、脳出血の原因と好発部位、および高血圧性脳出血 脳出血の原因は表11のとおりで、原因の大部分(約82%)1)は高血圧症である。高血圧症が原因で起こった脳出血を高血圧性脳出血という。高血圧症以外では、脳血管異常、アミロイド血管症、出血傾向、脳腫瘍がある。 【表11】脳出血の原因 脳出血の好発部位および頻度10)は、表12のとおりで、基底核(主に被殻)、視床、皮質下(大脳)などのテント […]
脳梗塞治療の考え方 脳梗塞は原因の如何に関わらず、急性期治療の後で症状が残ってしまうとその症状の改善は難しい。そのため2000年以後は症状が残らないようにするための急性期治療が脳梗塞治療のメインテーマとなった。これについては後述する。しかし、症状が残ってしまった慢性期の場合は再発予防が治療の目的であり、ラクナ梗塞、アテローム血栓性梗塞の場合は抗血小板療法(アスピリンなど)5)を、心原性梗塞の場合は […]
1、脳梗塞の原因 脳梗塞の原因は表7のとおりで、それぞれの頻度は表84)のとおりである。原因のほとんど(約93%)は脳血栓症(約59%)または脳塞栓症(約34%)であり、最も多いものは脳血栓症である。ちなみに、脳梗塞の原因が脳血栓症であるか脳塞栓症であるかの診断は難しく、画像診断上梗塞巣の点在や、後述する心房細動や僧帽弁狭窄症がある場合は脳塞栓症の可能性が高い。 【表7】脳梗塞の原因 【表8】脳梗 […]
脳卒中の診断 1)脳卒中の症状発見(シンシナティ病院前脳卒中スケール) 脳卒中は急性冠症候群と同様に早く専門家のもとに運ばなければならない。そのためには非医療従事者も含めて早期の症状発見が重要である。ところが、前述した脳卒中の症状認識は非専門家医療従事者や非医療従事者には難しい。そこで、非専門家医療従事者はもとより非医療従事者にもわかりやすくするため、簡単に脳卒中の評価を行なう方法として、シンシナ […]
脳卒中の症状 脳卒中の一般的な症状は表4のとおりで、片麻痺、言語障害、意識障害などが一般的な症状である。逆にいえばこのような症状を確認すれば脳卒中を考えなければならない。表4の中で、めまい・歩行障害・協調運動障害は小脳の障害(小脳出血、小脳梗塞)で起こり、突然の激しい頭痛はくも膜下出血に特有の症状である。 【表4】脳卒中の症状 1、顔面を含む半身の運動障害(片麻痺)・感覚障害 2、意識障害、見当識 […]
脳血管障害(脳卒中と脳血管障害の違い) 脳血管障害(CVD:cerebro-vascular disease )とは脳血管の異常が存在する全ての疾患を包括した概念で、脳卒中は脳血管障害の一部である。脳血管障害の分類は表3のとおりである。脳血管障害と脳卒中の違いは、脳血管障害が画像上の責任病巣の有無に関わらず症状が早期に消失する病態(一過性脳虚血性発作)及び無症候性の病態までも含める一方で、脳卒中は […]
脳卒中の概念(脳卒中とは) 脳卒中(stroke)とは表1のとおり、1)脳梗塞(BI:brain infarction)、2)脳出血(BH:brain hemorrhage)、3)くも膜下出血(SAH:subarachnoid hemorrhage)、の3つの疾患を総称したものである。脳梗塞は虚血性脳卒中といわれ、脳出血とくも膜下出血は出血性脳卒中といわれる。脳梗塞は脳血管の閉塞や狭窄によりその支 […]
頻拍性不整脈に対する臨床的対応(治療) 頻拍の診断・治療の基本的な考え方 頻拍に対する診療アルゴリズムの全体的な流れは図31のとおりである。最初のステップは、前述したとおり、その頻拍が不安定な頻拍であるかどうかの判定である。不安定な頻拍とは、重篤な自覚症状や他覚所見が、頻拍が原因で起こったものである。不安定な頻拍の心拍数は通常150回/分を超え、150回/分以下では不安定な頻拍とは考えにくい。判定 […]