脳卒中の概念(脳卒中とは)

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脳卒中の概念(脳卒中とは)

脳卒中(strokeとは表1のとおり、1)脳梗塞(BI:brain infarction2)脳出血(BH:brain hemorrhage3)くも膜下出血(SAH:subarachnoid hemorrhage、の3つの疾患を総称したものである。脳梗塞は虚血性脳卒中といわれ、脳出血とくも膜下出血は出血性脳卒中といわれる。脳梗塞は脳血管の閉塞や狭窄によりその支配領域に虚血がおこり神経症状が出現し神経脱落症状として確定したもの、脳出血は脳内に出血したもの、くも膜下出血はくも膜下腔に出血したものをいう。これらをシェーマにして比較したものが図1である。

 

【表1】脳卒中の分類と各疾患の概念、頻度

Ⅰ、虚血性脳卒中(ischemic stroke)

1、脳梗塞(BI:brain infarction)

脳血管の閉塞や狭窄によりその支配領域に虚血がおこり神経脱落症状が出現し、確定したものをいう。

原因のほとんどが脳血栓症と脳塞栓症である。

Ⅱ、出血性脳卒中(hemorrhagic stroke)

2、脳出血(BH:brain hemorrhage)

脳内に出血したものをいう。原因は大部分が高血圧である。

3、くも膜下出血(SAH:subarachnoid hemorrhage)

脳の表面のくも膜下腔に出血したものをいう。原因のほとんどが脳動脈瘤破裂である。

【図1】脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の相違

脳卒中図1

日本での発症頻度は、脳梗塞が約75%、脳出血が約18%、くも膜下出血が約7%である1)のに対して、米国では脳梗塞が87%、脳出血が10%、くも膜下出血が3%である2)。米国は、脳梗塞(虚血性脳卒中)の割合が日本より多く、逆に出血性脳卒中の割合が日本より少ない(表2)。

【表2】脳卒中の各疾患別頻度

脳卒中表2

虚血性心疾患(主に急性冠症候群)と脳卒中は緊急度および重篤度が高い点でよく似ており、これらのことが、生命予後や機能予後に大いに関与している。そのため、これらの疾患群は早期発見と専門医療機関への早急な搬送が叫ばれている。米国では、心筋梗塞のheart attack(心臓発作)に対して、脳卒中をbrain attackとよび、診断および治療の緊急性を一般市民に啓蒙している。

ちなみに、脳卒中は内因性疾患が原因で起こるものをさし、外傷が原因で起こるものは含まない。外傷が原因で脳に出血した場合は脳挫傷、くも膜下腔に出血した場合は外傷性くも膜下出血といわれ、脳卒中とは区別されている。

 

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福岡記念病院救急科部長。一般社団法人・福岡博多トレーニングセンター(福岡博多TC)理事長。 愛媛県生まれ、1986年愛媛大学医学部医学科卒。日本救急医学会専門医、日本脳神経外科学会専門医、臨床研修指導医。医学部卒業後、最初の約10年間は脳神経外科医、その後の約20年間は救急医(ER型救急医)として勤務し、「ER型救急システム」を構築する。1990年代後半からはBLS・ACLS(心肺停止・呼吸停止・不整脈・急性冠症候群・脳卒中の初期診療)の救急医学教育にも従事。2011年に一般社団法人・福岡博多トレーニングセンターを設立し理事長として現在に至る。主な著書に、『ニッポンER』(海拓舎)、『心肺停止と不整脈』(日経BP)、『ERで役立つ救急症候学』(CBR)などがある。