頻拍性不整脈③ 心房細動とは|原因や心電図所見を詳しく解説

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心房細動AFatrial fibrillation

1)心房細動とは

心房細動とは心房内のいたるところで異所性刺激が高頻度(350~600回/分)に起こった不整脈をいう。そして、この高頻度に発生した異所性刺激をランダムリエントリーという。心房細動の機序のシェーマと心電図を15-1に示す。高頻度の心房の異所性刺激は全てが心筋まで伝導されることはなく房室結節によってセレクトされ、心拍数が決まってくる。

【図15-1】心房細動一般

図15-1

心電図上ではP波は消失して不規則な細動波が生じ、それによる基線のゆれが現れる。また、RR間隔は不整であり、そのため絶対的不整脈ともいわれる。心房細動では左室の充満が不十分になり心拍出量の低下、左房内うっ血をきたす。この左房内うっ血が左房内血栓の原因である。心房細動の基礎疾患としては、虚血性心疾患、僧帽弁狭窄症、高血圧性心疾患、甲状腺機能亢進症、心膜炎などがある。

心房細動は絶対的不整脈であるためRR間隔は不整である。しかし3度房室ブロックを合併した場合はRR間隔が整になる(15-2)。

【図15-2】3度房室ブロックを合併した心房細動

図15-2

 

2)発作性心房細動、頻拍性心房細動

心房細動はよくみられる不整脈の1つであるが、臨床上最も問題となるのは、動悸、胸痛、呼吸困難などの重篤な症状が出現する発作性心房細動を起こしたときである。発作性心房細動の中には、心房細動が頻拍発作を起こした頻拍性心房細動15-3)やWPW症候群が心房細動を合併した偽性心室頻拍15-4)(他のページで詳しく解説)などがある。また、発作性心房細動の中では頻拍性心房細動が最も多い。頻拍性心房細動では、頻拍が安定している場合はまずレートコントロールをCa拮抗薬やβ遮断薬を使って行う。偽性心室頻拍は、心室頻拍や心室細動に移行する可能性があり危険である。

【図15-3】頻拍性心房細動(発作性心房細動)

図15-3

【図15-4】WPW症候群を合併した心房細動(偽性心室頻拍)
図15-4

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ABOUTこの記事をかいた人

福岡記念病院救急科部長。一般社団法人・福岡博多トレーニングセンター(福岡博多TC)理事長。 愛媛県生まれ、1986年愛媛大学医学部医学科卒。日本救急医学会専門医、日本脳神経外科学会専門医、臨床研修指導医。医学部卒業後、最初の約10年間は脳神経外科医、その後の約20年間は救急医(ER型救急医)として勤務し、「ER型救急システム」を構築する。1990年代後半からはBLS・ACLS(心肺停止・呼吸停止・不整脈・急性冠症候群・脳卒中の初期診療)の救急医学教育にも従事。2011年に一般社団法人・福岡博多トレーニングセンターを設立し理事長として現在に至る。主な著書に、『ニッポンER』(海拓舎)、『心肺停止と不整脈』(日経BP)、『ERで役立つ救急症候学』(CBR)などがある。