急性冠症候群の心電図分類

急性冠症候群の心電図分類は表2のとおりで、1)ST上昇または新規の左脚ブロック2)ST低下・陰性T3)心電図変化がない・診断不能、の3つに分けられる。ST上昇または新規の左脚ブロックが認められれば、急性心筋障害が強く疑われSTEMIである。ST低下・陰性Tが認められれば心筋虚血が疑われ、NSTEMIまたは高リスク不安定狭心症である。心電図変化がない・診断不能の場合はNSTEMIまたは中・低リスク不安定狭心症である。

急性冠症候群の心電図分類

臨床的分類と心電図分類を総合することにより急性冠症候群の理解が容易になる。急性心筋梗塞のうち、ST上昇を認めるのは約50%、ST低下・陰性T波・脚ブロックを認めるのが約40%、正常心電図を呈するのが約10%である3)。また、不安定狭心症の特徴は、心筋虚血発作時にSTは低下するものの、虚血の寛解に伴いSTは心筋虚血発作前の状態に改善する。